秋田ワーケーション推進協会では、令和4年度観光庁「ワーケーション推進事業」モデル実証事業の採択を受け「共感+表現によるチームの成長」をテーマに、3泊4日から4泊5日の滞在で少人数の団体を受け入れる際のモデルプログラムを企画・開発し実証を行いました。また、モデルプログラムは観光庁でマッチングされた企業の訪問を受け、仙北市、秋田市、男鹿市の3エリアで、事業者の協力、サポートをいただきモデルツアーとして実施しました。
各エリアモデルツアーのタイトルとアウトライン
【仙北市】チームを育む、田園温泉のアートビレッジ
ユニークな“演劇”プログラムと快適テレワーク、高質な田舎に滞在する仙北ワーケーション
【秋田市】秋田文化とローカルの可能性
信仰の山「太平山」山麓の里山湯治、未来を担うクリエイターに出会う秋田ワーケーション
【男鹿市】人ならざるものに学ぶ、人の道
無形文化遺産「ナマハゲ」の習俗に学ぶ人の道、絶景の夕日温泉で過ごす男鹿ワーケーション
実施時期は晩秋から初冬。県内各地のテレワーク施設や宿泊施設の中から、来訪者のニーズに対応した施設を選定し、しっかりと仕事ができる滞在環境を提供するとともに、秋田の食の恵みや温泉で心身を図ること。さらに秋田ならではの文化や歴史資源、地域の人材や事業者との交流など、体験型の地域プログラムを組み合わせたユニークなワーケーションプログラムです。
各ページでは、それぞれの地域で企画したモデルツアーのプランについてご紹介します。
【仙北市】チームを育む、田園温泉のアートビレッジ
ユニークな“演劇”プログラムと快適テレワーク、高質な田舎に滞在する仙北ワーケーション
実施時期:2022年11月 4泊5日
モデルツアー参加者:3名
秋田県内でも有数の観光エリアである仙北市。多くの宿泊施設、温泉、観光施設、アクティビティが存在し、その組み合わせは無限です。今回その中でも「共感+表現によるチームの成長」テーマに沿った、ワーク施設として利用させていただいたのは、あきた芸術村内に2021年春にテレワーク&ワーケーション施設として開設された「Semboku Workplex」。宿泊滞在施設として隣接のホテル「温泉ゆぽぽ」。また地域に触れる体験型プログラムとして、あきた芸術村に本拠とする劇団「わらび座」に協力いただき、「わらび座」が提供するシアターエデュケーションを組み合わせた、地域体験プログラムを企画しました。
都市部や街なか以外の場所でのワーケーションで課題になるのが、滞在場所までの移動手段と時間。として、ワーク施設と宿泊施設、体験施設といった滞在時に利用する施設の距離が離れていること。限られた時間をやりくりして来訪する訪問者が、滞在場所で仕事や地域体験に使える時間をできるだけ確保することが求められることから、ひとつの場所に施設がまとまっているこちらを利用させていただきました。
■プログラムのコンセプトシート
■プログラムの行程(概要)
■ワーク施設と”しごと”環境のサポート
ワーク施設の「Semboku Workplex」は近年整備された施設ということもあり、高機能チェアや外部モニター、個室など効率的なオフィスワークを可能とする環境と、ワーケーションに来たことを実感できる秋田の木材をふんだんに使ったラウンジ空間やキッチンが整っています。今回のモデルツアーで参加者には個室をご利用いただき、その他の利用者と区分けができる環境で、通常と同様の”しごと”をしていただきました。また3日目にはキッチンで地元の食材を使った調理を行い、ラウンジで施設運営者や地域の方々との交流会が行われました。
Semboku Workplex
公式サイト | https://www.semboku-workplex.jp/ |
所在地 | 秋田県仙北市田沢湖卒田早稲田430 あきた芸術村内 |
TEL. | 018-838-1173 |
sw-info@adf.co.jp |
■宿泊施設
宿泊は4泊すべて「温泉ゆぽぽ」の個室をご利用いただきました。たくさんの宿がある魅力的なエリアでも、滞在中に宿泊施設を変更する場合、チェックイン・アウトの手間のほか、日中の滞在場所の空白時間が発生することなどを加味すると、宿の変更は滞在者の負担増の要因にもなります。滞在の拠点となる宿泊施設を決めてワーケーションをされることはワーケーションのワークの質を高めるひとつのポイントです。また、”温泉”に対するニーズは高く”仕事終わりの温泉(人によっては仕事の合間も)”は、ワーケーションのキラーコンテンツと言えるでしょう。
〒014-1113 秋田県仙北市田沢湖卒田字早稲田430
Tel : 0187-44-3939[予約センター] (受付 月〜土9:00〜17:00)
FAX : 0187-44-3318
■食事
滞在時の食事は宿泊に朝食、夕食が付いたプランをご利用いただきました。リゾート地のホテルなどでは、内容の充実した、ボリュームの多い食事を出していただくことがほとんどですが、連泊・滞在の場合、日によって内容に変化があったり、少なめのほうが喜ばれることがあります。今回はあらかじめホテルに相談することで、少し変化をつけていただくなどの対応をいただきました。
昼食はホテルでは提供されませんが、同じ敷地内でランチ営業をしている和風レストラン「ばっきゃ」をご利用いただきました。他地域の特に都市部から秋田の郊外にワーケーションに来る際に、一番環境が違うのがランチ事情かもしれません。ワーク施設、滞在施設の近辺に飲食店がある場合は良いのですが、土地勘のない場所でのお店探し、往復の移動に1時間、2時間・・・となっては肝心の業務の時間が確保できません。食事は大きな楽しみのひとつですが、仕事がメインの滞在時には、効率的に昼食ができる場所のサポート、また仕出お弁当なども有効です。
■体験型地域プログラム
長年オリジナルのミュージカルを多数創作し、秋田の劇団として確固たるポジションを得ている劇団わらび座。あきた芸術村の中核施設である「わらび劇場」をホームに、通年で上演し内外から多くの観覧者が集まります。
仙北で秋田を体験する地域プログラムとして、今回は5日間の滞在中の3日目に、わらび劇場で上演されていたミュージカル『ゴホン!といえば』の観劇と、劇団の役者が行うコミュニケーションプログラム「シアターエデュケーション」を体験していただきました。
『ゴホン!と言えば』は藩政時代の秋田が舞台。描かれた物語の素晴らしさはもちろん、2時間ほどの観劇を通し当時の地域の様子や、ナマの秋田弁に触れられることも魅力です。
コミュニケーション研修プログラム「シアターエデュケーション」は、これまで研修プログラムとして多くの企業が採り入れ、毎年実施している企業もある人気のプログラムです。プロの役者が行うトレーニング、エチュード(即興劇)など、演劇的アプローチやメソッドを用い、コミュニケーション力を向上されるプログラムです。今回の参加者にもそれぞれを体験していただきました。
「シアターエデュケーション」は劇団わらび座が提供しています。人数や目的によってプログラムの内容は相談が可能です。ご興味のある方はこちらまで。
■観光
ワークとバケーションのバランスのとり方が、ワーケーションの満足度と成否を決めるといっても過言ではありません。
多くの観光スポットがある仙北市。限られた滞在期間を有効に使うには、行きたい場所を絞り込むことも必要です。今回の参加者は、滞在4日目がフリーの日として設定されていたので、1日目に行ったオリエンテーションの際に、観光スポットやガイドなどの資料集をあらかじめ提供し、徐々に知識を入れてもらいながら、場所の絞り込みをサポートしました。また、フリータイムは自ら移動し、地域に触れたい。という意向だったため、近隣のレンタカー会社をご案内しました。受け入れ側が来訪者のニーズを掴み、手段やサービスをアドバイスし、取次のサポートをすることは、より良く地域に触れてもらうこと、また満足度の向上に役立ちます。(以上)
ワーケーションプログラム企画のポイント、受け入れに必要な環境、実施時の注意点、実施までの準備や費用など、3エリアでの実施についてより詳しく知りたい方、同様のワーケーションプログラムの実施を希望される方、また地域を問わず今後秋田県内で同様のワーケーションを行う際にサポートが必要な方は、協会までお気軽にご相談ください。(当協会は旅行事業者ではないため、交通の手配、企画型旅行の募集等はできませんが、会員事業者のご紹介や、実施に向けたアドバイス等のサポートをいたします)
最新の情報は各施設、サービス提供者に直接お問い合わせください。